技法解説 Glossary


*ガラスの技法は、伝統的なものから個人が開発したものまで多岐にわたりますが、技法を解説します。

*技法説明やジャンル分けは、作家、美術館、教育機関等で、考え方は色々ありますが、ここでは、日本ガラス工芸協会の見解として表記しました。



 



ホットワーク/Hot work

熱で熔かしたガラスを用いて成形・加工あるいは装飾を施す技法の総称



 



1. 吹きガラス/blowing <宙吹き/glass blowing・型吹き/mold blowing>

 窯の中で溶けているガラスを金属のパイプ(吹き竿)の先に巻き取り、息を吹き込みながら成形する技法の総称。「宙吹き」は、型を用いないで成形する吹きガラス。細工道具(はさみ・コテ・ピ ンサーなど)で、様々な形に仕上げる。「型吹き」は金属や木、耐火石膏などで作った型に、ガラス種を吹き込んで成形する方法



 1-1 被せガラス、色被せ/cased glass

   
内側または外側の全体あるいは一部に一層、多層の異なる色のガラスを被せる方法

   内側に色を被ると内被せ、外側に色を被せると外被せ



 1-2 グラール/graal

    
外被せをサンドブラスト、カットなどで装飾、予熱し吹き竿にとり、再加熱して成形する方法



 1-3 ムリーニ/murrine(伊)

   
断面に同一の図柄が現れる金太郎飴状態のパーツのこと。薄切りにしたムリーニを板状に 並べ、

   吹きガラスで成形したり、フュージング、スランピング技法で成形する場合もある



 1-4 レースガラス/lace glass

   
細く引いた色ガラス棒(ケイン)を何本か並べ、透明なガラスに巻き取りねじって引っ張り

   レース状のケインを作るそれを利用して装飾する方法又はレース状のケインのこと



 1-5 レティチェロ/reticello(伊)

   
ねじって螺旋模様にしたものを二つ用意し(ねじる方向は左右逆)、それを重ね合わせつくる

   編目交差模様のこと



2. ソリッドワーク/solid work

 
熔けているガラスを竿にとり、息を吹き込まずに塊の状態で成形する方法



3. ピンブロー/pin blow

 ポンテ竿(金属製の棒)にとった熱いガラスの塊にピンを差し込み小さな穴をあけ、蒸気やエアガ ンで穴を膨らませ中空にして成形する方法



4. ケーン・ドローイング/ cane drawing

 あらかじめ細く引いたガラス棒(ケーン)で、ガラスが熱いうちに絵を描く方法



 ケーン・ドローイングとピンブロー

 



キルンワーク/Kiln work

窯(主に電気炉)でガラスを加熱して成形する技法の総称 キャスティング、フュージング、スランピ ング、パート・ド・ヴェールなどの技法がある



 



1.キャスティング / casting

 
耐火材で作った型にガラスを入れて成形する方法 コールドキャスティング、ホットキャスティング

 サンドキャステング、パート・ド・ヴェール等がある



 1-1 コールドキャスティング / cold-casting

   
耐火材で作られた型の中にガラスを詰め電気炉の中で溶解させて成形する方法



 1-2 ホットキャスティング/hot-casting

    
耐火材で作った型に溶けたガラスを流し込んで成形する方法



 1-3 サンドキャスティング/sand-casting

   
砂型を作り溶けたガラスを流し込んで成形する方法



 1-4 パート・ド・ヴェール/pate de verre(仏)

   
耐火材で作った型に、結合材(のり等)を混ぜた粒子の細かいガラスを詰めて、電気炉で焼成し

   成形する方法。ガラスに結合剤を混ぜない場合もある。



2. フュージング/fusing

 
電気炉の中で加熱し、ガラスどうしを溶着させる方法



3. スランピング/slumping、サギング / sagging

 電気炉の中で、加熱することにより型や或は自重で、ガラスを平面から立体に変形させる方法



 



ランプワーク、フレームワーク、/lamp work、flame work

世界的にはランプワーク、フレームワーク 酸素バーナーやガスバーナーを用いてガラス棒やガラス管などを溶かし成形・加飾してゆく方法 この技法で吹きガラスと同じよう吹き竿(この場合はガラス管)に巻き取ったガラス種を吹き込んで成形する方法もある (バーナーワーク/burner work は日本独特の言い方)



広沢さんから要請のあったコア・ガラスを付け加えました。 その他、ケーン・ドローイングとピンブローがありましたが、これは「吹きの方」にお任せします。



ランプワーの中のコア・ガラスという言う分け方をされていましたが、コア・ガラスを松島巌さんに 尋ねた所、ランプワークとは同じカテゴリーではないとの事でしたので、コア・ガラスは別にしました。



 



コア・ガラス/Core Glass

B.C.16頃にメソポタミアで始まりエジプトでも使われた、もっとも古い技法、初期の頃はわらに粘土 質の泥をつけそれをコア(芯)として溶けたガラスを巻き付けて器等を作り、冷めてから芯の部分を 取り出したとされる (例) トンボ玉



 



コールドワーク/Cold work

ガラスを常温の状態で加工、成形、彩色することの総称。カット(切子)、グラヴィール、サンドブラ スト、接着、エッチング、ダイヤモンドポイント、など多岐にわたる



 



1. カット、切子/cut

 
様々な形状や大きさの異なるグラインダーでガラス面を削り、彫刻文様を施したり、多面体を作る技法

 グラインダーには鉄、ダイヤモンド・ホイールなどを用いる



2. 切断/cut

 ダイヤモンド粒を焼き付けたホイールなどで、水を流しながらガラスを切る。

 ホイールの他にバン ドソーや、水圧で切断する方法もある(ウォータージェット)



3. 削り/carving

 粗めのグラインダーなどで削り、ガラスの形を整える加工法



4. 研磨/polishing, grinding

 
ガラスの表面を磨き上げること。ダイヤ、鉄、砥石、木、コルク、発砲ウレタン、フェルトなどの 回転盤に、金剛砂、パミス、酸化セリュームなどの研磨剤をつけながら、ガラスを徐々に削り、磨き上げる。



5. クラック、はつり/crack

 ガラスの表面を鬘(たがね)などではつり取る方法。



6. グラヴィール/gravure(仏)、engraving

  
小さな金属製の円盤(約5~10mm)に、油で練った金剛砂などの研磨剤をつけながら回転させて ガラス面を削り加飾する方法

 繊細な浮き彫り表現が可能な方法



 6-1 ハンドグラヴィール/hand engraving

   
リューター(小型電動ドリル)でガラスの表面に模様を描く方法



7. サンドブラスト/sand blasting

 圧搾空気で砂を吹きつけ、ガラス表面をつや消し上にしたり、浮彫彫刻を施したりする方法 ビニールのテープ等で覆う(マスキングする)ことにより、さまざまな文様を表現でき、砂目の 種類や吹きつける力、時間を変えることにより表現効果をもたらすことができる



8. グルーチップ/glue chip

 
摺りガラス(サンドブラスト等を施したガラス)の表面に、溶かしたニカワ(グルー)を塗り、ニカワ が乾く時に縮む性質を利用し、ガラスの表面をはぎ取り模様をつける方法



9. ダイヤモンドポイント/ diamond point

 
先端にダイヤモンドがついたペンシル型の道具を使い、ガラスの表面に点刻や線刻を施し、 絵や文様を描く方法



 



接着/Glueing

シリコンやエポキシ系、または紫外線によって硬化する接着剤などを用いて、ガラスどうしを接着



 



1. ラミネート、積層/laminating

板状のガラスを紫外線硬化タイプの接着剤などで張り合わせ積層したもの 電気炉で加熱接着 する方法もある



 



酸腐蝕/Acid-etching

ワックスやラッカーなど防酸保護膜でマスキング後、フッ化水素酸と硫酸の混合液(クリーム状も ある)に浸し、酸に浸された部分がつや消しになることを応用して文様などを描きだす方法



 



1. 酸磨き/Acid-polishing

フッ化水素と硫酸の混合液に浸してガラスの表面を溶かし、艶を出す方法 酸腐食とは液の 混合比率や浸す時間が異なる



 



ステンドグラス/Stained glass

色板ガラスや着彩焼付けしたガラス片を、鉛などの金属線や銅の粘着テープ等を使い、ハンダで 接合して平面や立体を構成する。ランプ等のインテリアから建築等、幅広く使われる



 



ダル・ド・ヴェール/Daile de verre(仏)

厚さ 2~3cm の厚板ガラスを使用し、ガラスとガラスの間にセメントもしくは砂を混ぜた樹脂を入れ 固めパネルにする方法。ガラスにはハツリを入れ輝きを加える



 



ガラスペインティング/Glass-painting

ガラスの表面に着彩表現する方法



 



1. 絵付け/painting

 
ガラス用の顔料を用いて、ガラスに絵を描き、窯に入れ 550~650°Cくらいで焼成する方法



 1-1 エナメル彩/enameling / émail(仏)エマイユ

   エナメル(ガラス質の顔料)を水、アルコール、松脂入りの油等で溶いて、ガラスの表面に絵付けを施

   し、低温度の炉で焼き付ける彩色法。スプレーで吹き付けたり、シルクスクリーン を使って絵付けを

   する場合もある



 1-2 グリザイユ/grisaille(仏)

   鉄又は銅の金属酸化物をベースにガラスの粉を混ぜた顔料で、明暗を付けたり、線書き影を付けたり、

   立体を表現する等に用いられる。主に不透明に仕上がる



 1-3 ラスター彩/luster painting

   
金、銀、銅、プラチナ(白金)などの金属酸化物を酸に溶かし油性の溶剤に混合したものをガラスの

   表面に塗布し焼成、金属酸化物の被膜が出来、虹色の光沢がでる



 1-4 シルバーステイン/silver stain

   
酸化銀でできた絵付け顔料 イエロー、アンバー、オレンジなどがある。

   この顔料は焼成後 ガラスの内部に着彩されるので、エナメルやグリザイユより高い温度で焼く



2. 着彩、着色、油彩/painting. coloring, oil painting

   
アクリル絵具、ラッカー塗料、油絵具、水彩絵の具、色鉛筆などさまざまな種類の顔料を用いて

   ガラス表面に彩色する方法


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